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建設業界の職人がクール!AIが代替できないブルーカラーの仕事の将来性

人工知能(AI)の急速な発達により、これまでホワイトカラーが担ってきた多くの仕事がAIに代替されるといわれるようになりました。こうした変化の中、建設業をはじめとするブルーカラーの仕事が若い世代の間で注目を浴び、「建設業界の職人はクール」という新たなトレンドが生まれつつあることはご存じでしょうか。

今回は建設業界の職人がなぜクールといわれるのか、その背景と理由を探っていきます。

AI時代に注目されるブルーカラーの仕事

生成AIの進化により、ホワイトカラーの仕事の多くがAIに代替される可能性が高まったことを受け、近年ブルーカラーの仕事の価値が見直されています。

労働政策研究・研修機構の発表によると、世界の雇用の24%が生成AIの影響を受け、特にデータ入力や会計・経理といった事務職への影響が大きいとされています。

一方で、建設業をはじめとするブルーカラーの職種においては、職人の経験に基づく判断力、手作業による繊細な調整、現場状況に応じた柔軟な対応が不可欠な作業がほとんどです。建設業を例に挙げると、以下のような長年の経験と勘が必要な領域はAIに置き換えにくいと考えられます。

  • 鉄骨を組み立てる際の微妙な調整
  • 天候の変化に合わせた作業計画の変更
  • 材料の特性を見極めた加工技術

こうした背景に後押しされ、近年は特に若い世代の間で、ブルーカラーに対するネガティブなイメージが払しょくされつつあります。

参照元:労働政策研究・研修機構(JILPT)「世界の雇用の4分の1が生成AIに代替される可能性(ILO:2025年7月)

米国Z世代から始まった「ブルーカラー・クール」の潮流

日本よりも一足早く、米国のZ世代の間では「ブルーカラー・クール」という価値観が一つのトレンドとなっています。

米国では大学進学よりも技能職への就職を選ぶ若者が増え、職業訓練校への進学率が5年間で約20%上昇しました。その背景には、高い学費を払って大学を卒業してもキャリアの保証がないのに対し、技能職であれば短期間でスキルを習得でき、早期に安定した収入を得られる事情があります。

さらに、従来のブルーカラーのイメージを覆すかっこいいインフルエンサーの存在も、若者がブルーカラーをクールと感じる大きな要因です。女性クレーン作業監督や女性電気技師がTikTokやInstagramで作業風景を発信した動画が爆発的な再生数を誇り、その躍進ぶりがウォール・ストリート・ジャーナルなどの主要メディアでも紹介されたほどです。

「#bluecollar」などのハッシュタグが拡散されることで、ブルーカラーに対するイメージがタフな労働環境から高い技術や仕事のプライドへと変わり、「ブルーカラーはクール」との認識が広まっています。

参照元:National Student Clearinghouse ”Current Term Enrollment Estimates

日本でも広がる「クールなブルーカラー」のムーブメント

「ブルーカラー・クール」の潮流は、海を越えて日本の建設業界にも伝播しています。ある広島県の電気工事会社で、ブルーカラーの仕事の価値をSNSやメディアで発信する団体を立ち上げたことがその一例です。団体の主な活動内容は以下の通りです。

  • 給与・待遇改善や職場環境改善のリアルな情報発信
  • 会員企業同士のマッチング支援
  • キャリアサポート体制の整備

建設現場にはSNS発信上の規制もありますが、団体の活動が功を奏して、若い職人や経営者を中心にInstagramやYouTubeで施工のクールな魅力を紹介する試みは確実に増えています。

例えば、コンクリート打設の美しさや、鉄筋組立の正確性といった施工の魅力を動画コンテンツ化したことで、これまで会社の中で直接伝承されるしかなかった熟練職人の技に、誰でもアクセス可能になった功績は大きいといえます。今後はSNSがきっかけで建設業の仕事に憧れ、実際に働いてみたいと考える人が増えていくかもしれません。

日本の建設業が「クール」「将来性がある」といわれる理由

ここで、日本の建設業が「実はクール」「将来性がある」といわれる理由を紹介します。

  • 仕事に先端テクノロジーを活用できる
  • 最後は熟練した「人の目」で確認し「人の手」で仕上げる
  • 造ったものが残る達成感と誇りがある
  • 建設需要は減らない
  • 賃金が着実にアップする

多くの建設現場では、3次元データを活用した施工管理やAIを活用した品質検査など、従来のアナログな業界イメージを覆す高度な先端技術が実装されるようになりました。

ただしどれだけテクノロジーが発達しても、現場状況に応じた臨機応変な判断など、熟練者による最終調整は欠かせません。職人の仕事は最新技術を駆使しながら、施工の精度をより高める上流工程へと移行しつつあるのです。

また、自分が手がけた建物や道路が街に残ることも、他の職種にはない建設業界のクールな魅力の一つでしょう。建設需要は今後も減ることはないので、モノづくりの醍醐味に長く携わることが可能です。

建設業界では賃金が着実に上昇を続け、2024年には全産業平均と並ぶ水準に達しています。また、キャリアアップの道筋が明確なため、スキルに応じた待遇向上が期待できることも建設業の魅力です。

AIに代替されないキャリアを目指すなら、先端技術と人間の技能が融合する建設業界でさらなるステップアップを図ってみてはいかがでしょうか。安定して成長できる仕事環境をお探しなら、ぜひパシコン技術管理の求人情報をチェックしてみてください。

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