建設業の仕事を選んだ7人の理由を紹介するシリーズ。
後編では、都市計画の管理業務、鉄道施設維持管理、施工管理に携わる3人が建設業に携わった経緯を紹介します。
希望の職種に近い仕事があった
建設業の仕事は幅が広いため、自分がやってみたい仕事がたまたま建築業に関係していたというケースもあります。
建設業界というと肉体労働のイメージがありますが、実はデスクワークの仕事も多く、経理事務やBIM関連の仕事、都市開発計画といった中から、やりたい仕事に出会う人もいます。
都市計画の管理業務
「もともと文系出身で、いろんな職種を経験したあと、調査関係のフィールドワーク職を通じて建設業界に入りました。
入社後、熊本の震災復興に携わったときに、都市計画に目覚めたんです。
始めはアルバイトでしたが、少しずつ責任のある仕事を任せてもらえるようになって、今では管理業務や都市計画の責任者をやらせてもらっています。
もともと文系で専門外だった私のような人間でも、建設業ではちゃんとキャリアアップできています。」
複数の職種経験が活かせた
建設業を選んだ人の中には、複数職種の経験が役に立ったという人もいます。
元ITエンジニアだった方は、技術力と人間力の両方を活かせる建設業で、別業種での経験を発揮して活躍しています。
鉄道施設維持管理業務
「高校を出てから、鉄道会社の保守点検の仕事、開発部門のPythonエンジニア、そのあと現在の建設業派遣で鉄道施設の点検・管理の仕事に移りました。
ITエンジニアから建設業界に転職するときは、異業種のうえ大卒じゃないので、仕事に就けるか心配でしたが、鉄道会社とエンジニア両方のキャリアを活かせる仕事が見つかりました。
今の仕事はエンジニア同様、自分の裁量で仕事を進められて満足しています。
これから上級資格を取得して、将来は高速道路など他のインフラの仕事もやりたいです。」
一度建設業を辞めたが戻ってきた
実は一度建設業を辞めたものの、再び戻ってくる人も少なくありません。
建設業界の3年以上従事者と元建設業界従事者を対象にした調査によると、調査対象の4割以上が、他業界から建設業界へ転職していることが分かります。
転職時に重視した点は「待遇の良さ(73.9%)」「自分のやりたいこととマッチしているか(66.8%)」「働きながら知識や技術を学べるか(60.7%)」でした。
施工管理⇒他業種⇒施工管理
「建設業からほかの業種に移ったときは、朝は遅いし休みはあるし、ちょっと嬉しかったです。
ただ、やることが全部決まっている仕事で、自分の場合、毎日が退屈に感じてきたんです。
業界を離れてみて、建設業のやりがいがわかりました。考えてみたら、こんなに若いうちから自分の裁量で大きな予算を動かし、工程や品質管理を任される仕事は他にありません。
自分の頭で考えて、やった仕事の成果が見える今の仕事がいちばん充実しています。」
建設業での仕事を選んだ人たちには、それぞれの理由がありますが、共通しているのは、仕事のやりがいや働きやすさ、業界の将来性を感じていることです。
現在転職をお考えの方は、ぜひ建設業で自分らしく働ける職場がないか探してみてください。