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建設業界で働くなら知っておきたい!ICT施工の基本と導入の取り組み(後編)

3回シリーズでお届けしているICT施工特集。前編、中編では、国土交通省が強くバックアップするICT施工の実用化の目的と課題、施策の取り組みを紹介しました。

最終回の今回は、ICT施工の導入が建設事業者や現場で働く人々にどのようなメリットをもたらすのかを解説します。

建設事業者のICT施工導入メリット

まず、建設事業者がICT施工を導入するメリットを見ていきましょう。

生産性の向上と工期短縮

ICT技術の導入は、業務の自動化と効率化を実現し、少ない人数での業務遂行を可能にします。

例えば、3Dデータを活用すると、手間のかかる丁張り設置などの作業が不要になり、業務時間を大幅に削減できます。実際に、従来工法に比べ作業時間が3割以上削減された事例もありました。

工期が短縮されることでプロジェクトの回転率が上がり、より多くの案件に対応できるようになることが期待できます。

業務品質の向上

デジタルデータを用いるICT施工は、高精度な施工が可能となり、仕上がりの品質が安定します。設計段階で3Dモデルによる干渉チェックを行えば、施工中の手戻りを未然に防ぐことにもつながります。

また、施工記録をデジタルデータとして残すことで、工程ごとの進捗や施工精度が可視化され、品質管理の効率化にも役立ちます。

人手不足への対応と技術継承

これまで熟練工の技能に頼っていた作業を、ICT技術で代替・支援することで、人手不足に悩む現場の負担を軽減できます。

また、熟練の技をデータ化し、建機のガイダンス機能と組み合わせれば、作業員の技能を問わず質の高い施工が可能となり、技術の継承にもつながります。

先進技術の施工は求職者に対するアピールにもなり、若手人材の獲得に貢献する可能性が高まります。

安全性の向上

ICT施工の導入は危険な場所での作業の削減につながり、従業員の安全確保に貢献します。

建機の自動制御や遠隔操作を使えば、オペレーターが危険な場所に立ち入る必要がなくなり、事故のリスクを大幅に低減できるでしょう。実際に、丁張り作業が不要になった結果、重機と作業員が近接する時間が6割以上削減され、現場の安全性が向上した事例もあります。

コスト削減

ICT施工は、人件費や燃料費など、さまざまな面でコスト削減につながります。

工程の自動化によって省人化が進むと、人件費を抑えられます。また、自動制御で建機の稼働効率が高まるため、燃料費の削減も可能です。施工の精度が高まることで材料のロスが減り、手戻りや再施工の追加費用も削減できるでしょう。

建設業で働く人のICT施工導入メリット

ICT施工による建設事業者の恩恵が大きければ、建設業界で働く人のメリットも大きいといえます。最後に、建設業で働く人にとってのICT施工導入メリットを見ていきましょう。

労働環境の改善

ICT施工が普及すると、危険で身体的負担の大きい作業が減少し、より安全で快適な作業環境が実現します。重機の操作アシストや自動測量等の活用で、酷暑や悪天候下での作業が減り、身体への負担が少ない働き方ができるでしょう。

また、経験や体力によらず可能な業務が増えることで、性別や年齢を問わず、多様な人材が働きやすくなると考えられます。リモートワークも増え、高齢の技術者や女性、障がいを持つ人などでも活躍しやすくなるでしょう。

さらに、業務の大幅な効率化によって長時間労働が是正され、工期全体に余裕が生まれます。計画的な休暇取得が可能になり、ワークライフバランスが向上するでしょう。

スキル向上と待遇アップ

建設業で働く人にとっては、ICTスキルを習得することで自身の市場価値を高められます。

新しい技術に対応できる人材は高く評価され、昇給やキャリアアップ、より良い条件での転職も期待できるでしょう。職場で希望するポジションへの異動も見えてきます。

専門的なICTスキルを持つ人材の需要は、今後ますます高まり、より良い条件での就業が期待できます。

働きがいやモチベーションの向上

建設業全体で最新技術に触れる機会が増え、専門スキルが向上することで、働きがいや仕事のモチベーションが高まります。

ICT技術で単純作業が自動化されることで、技術者はより創造的・管理的な業務に集中することが可能です。従来の「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージが払拭され、業界全体の魅力が高まることも、働く人のやりがいにつながります。

就職希望者にとっても、建設業の仕事が魅力的に映るのではないでしょうか。

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3回にわたりICT施工を特集し深堀りしてきました。

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