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建設ディレクター大研究(後編)働き方改革に効果?実際の導入事例は?

前後編でお届けしている建設ディレクター大研究。後編では、建設ディレクター導入がもたらした効果と事例、時間短縮ポイントや業界での役割を紹介します。

建設ディレクター導入がもたらした効果

建設ディレクターの導入によりもたらされた効果は、業務の時短や効率化だけではありません。ここでは、建設ディレクターが業界に引き起こしたさまざまなポジティブな変化を紹介します。 

時短効果

建設ディレクター協会では、建設ディレクターの導入で現場業務をどれだけ軽減できるかを調査しました。その結果、今まで技術者が行っていた業務のうち、約6割がディレクターに移管できると判明しました。

調査をしてみると、建設業技術者の現場管理は仕事の約4割に留まり、残りの6割が書類作業でした。

建設ディレクターを導入し、書類作業の担当を移行した企業では、月30~40時間の残業削減に成功した例もあったそうです。

業種のイメージアップ効果

「建設ディレクター」のネーミングには業種のイメージアップ効果もありました。

ある会社では「施工管理補助」で募集をかけているものの、ここ数年の応募者はゼロでした。ところが「建設ディレクター(工事事務)」の職名に変えて募集したところ、問い合せが急増。さらに職場見学に数名の高校生が参加するほどの反響に、関係者も大変驚いたそうです。

「施工管理補助」という名称よりも、「建設ディレクター」の方が建設現場のバックオフィス業務のイメージが伝わりやすかったのでしょう。従来からある「縁の下の力持ち」的な職制が、先進的なネーミングで専門性を認識され、仕事の印象を向上させたといえます。

現場の意識改革

建設ディレクターの導入は、現場の意識改革にも貢献しています。

ベテラン技術者の中には「1人でやったほうが早い」と、分業に否定的な人もいます。こうした思い込みを払拭し、新しい働き方を定着させるために、建設ディレクター協会では分業コンサルティングサービス「TEAM SWITCH」を開始しました。

TEAM SWITCHでは、コーチングやチームマネジメントを通じて現場の意識改革と業務の再設計・仕組み化を行い、現場のリソース最適化と業務効率化を目指します。

専門家を交えて組織を丸ごと変革するコンサルティングだからこそ、保守的なベテラン勢でも「理に適っている」と納得でき、協働体制の構築につなげられるのです。

導入事例に見る!建設ディレクターがもたらす働き方改革

建設ディレクターとTEAM SWITCHの導入により、建設業でも大幅な業務効率化が可能です。ここでは実際の導入事例をもとに、時短効果を中心とした建設業の働き方改革の行方を探っていきます。

導入企業の声

はじめに、建設ディレクターを導入した企業の声を紹介します。

  • 「建設ディレクターの導入で残業を5割削減できた」
  • 「導入1年で現場業務の負担が劇的に減り、社内・現場のコミュニケーションが円滑になった」
  • 「各現場の仕事の内容や状況がオープンになり、現場での悩みを会社全体で共有しやすくなった」

業務量や残業が大幅に削減され、余裕が生まれた会社が多いことがわかります。「頼れる人がいると心の余裕につながる」とのコメントが多数ありました。

  • 「一部のベテラン技術者が導入に難色を示したので、まず若手の現場から導入して実績を重ねたところ、ついにベテランからも理解を得られた」
  • 「総務2名による兼任方式で、建設ディレクターとしての業務の幅を少しずつ広げた結果、無理なく制度を定着させることができた」

スモールスタートで変革に成功した好事例です。建設ディレクターによる現場技術者への積極的な働きかけが、技術者の意識を変え、共働体制の構築につながっています。

  • 「若い世代の皆で協力して補い合う気風と、建設ディレクターの方向性が合致していると感じた」

建設業に共働する価値観が芽生え、若い方が活躍しやすくなったのではないでしょうか。

現場技術者の声

続いて、受け入れ側である現場技術者の声を紹介します。

  • 「帰社後の書類作成業務を日中に任せられるのですごく助かっている。定時に帰る日も増えてうれしい」
  • 「残業が減り心に余裕が生まれ、アイデアが出るようになり、新しい提案ができるようになった」
  • 「余裕ができたおかげで、以前より密に地域とコミュニケーションを取れるようになった」

建設ディレクターの導入で心にゆとりができた結果、仕事の幅が広がったと感じる技術者が増えています。

  • 「現場で先進ICT技術を習得するのは難しかったが、今は建設ディレクターに任せられるので、自分の仕事や若手育成に集中できる」
  • 「ダブルチェックにもなるので書類の不備に気づいてくれて助かる」

TEAM SWITCHのサポートが功を奏し、ベテラン技術者にも新しい働き方が定着しつつあるようです

建設ディレクター就任者の声

最後に、建設ディレクターに就任した女性たちの声を紹介します。

  • 「現場の方に『ありがとう!』と言っていただけるやりがいのある仕事」
  • 「発注側のお役所から『書類がわかりやすい』と言われ、自分が役に立てていると実感できた」

建設ディレクターとしての自分の仕事が認められ、働き甲斐を感じる女性が増えています。

  • 「元保育士で建設のことはわからなかったが、今では施行計画書作成や電子マニフェスト、キャリアアップシステムを任されるまでになり、仕事に自信が着いた」

異業種転職でも、建設ディレクターなら着実にスキルアップできることを証明しています。

今回は、建設ディレクターの仕事と導入効果について、2回シリーズでお届けしてきました。

まだ始まったばかりの建設ディレクターの職制ですが、業界の未来を変革する注目の働き方です。建設業界の働き方改革とDX推進、若手や女性の躍進を担う建設ディレクターに興味のある方は、ぜひ以下のリンクをチェックしてみてください。

建設ディレクターとは|建設ディレクター協会

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