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建設ディレクター大研究(前編)どんな仕事?女性の参入が多い理由とは?

建設業界の働き方改革の切り札として、今「建設ディレクター」が注目を集めています。建設ディレクターとは建設現場のDX推進を担い、女性の活躍の場として期待される新しい職制です。

今話題の建設ディレクターについて、前後編の2回シリーズでピックアップ。前編は仕事の内容や働き方を紹介します。

建設ディレクターとは

建設ディレクターは、現場技術者の事務的負担を軽減し、業務効率化を図るために、建設業の現場をITとコミュニケーションスキルで支援する新しい職種として創設されました。

まず、建設ディレクターの誕生経緯と具体的な仕事内容を紹介します。

建設ディレクター誕生の経緯

建設ディレクターが誕生した背景には、建設技術者の長時間労働がありました。

昼間は現場で汗を流し、夕方から事務所に戻って書類を作成するのが、建設技術者の一般的な仕事の流れです。発注者への書類や竣工書類の提出〆切の前日には、深夜まで対応をすることもありました。

建設ディレクター協会の設立者である新井恭子理事長は、デジタル移行の過渡期に現場の業務の大変さを目の当たりにし、技術者にデジタル化に関わる業務の負担を増やすよりも、専門の新しい職域を作るべきだと考えたそうです。

技術者の事務仕事を担う者がいれば、技術者は新しい技術の習得と継承に注力できます。2016年の国土交通省「i-Construction」が発令されたことをきっかけに、建設業における分業を実現するべく建設ディレクター制度が立ち上がりました。

建設ディレクターの仕事内容

建設ディレクターは、技術者がこれまで抱えていた以下の各種事務業務を担当します。

  • 工事施工に関するデータの整理と処理
  • 写真管理
  • 図面の作成
  • 提出する書類の作成
  • 積算
  • 入札の見積もり・入札業務 など

工事には入札の見積もりから入札業務、着手関係書類、施工中から完成の竣工まで、膨大な事務処理業務があり、これらすべてを建設ディレクターが引き受けます。

さらに建設業DXの一端として、最先端のICT技術を活用した測量・施工をサポートすることも、建設ディレクターの役割です。具体的には、以下のような現場省力化の技術も建設ディレクターが受け持ちます。

  • DXアプリを運用する
  • ドローンで撮影・作成した3次元データを重機に活用する
  • ネットワークカメラを駆使しリモートで現場の検査・確認をする(遠隔臨場)

これまでは現場の技術者が、多忙な業務の合間に最先端ICT技術を習得していましたが、建設ディレクターがいれば、技術者は現場仕事と若手育成に集中できます。

建設ディレクターで多様な働き方をする女性が増加

建設ディレクターは多様な働き方ができることでも注目されています。

2023年7月現在、約900名いる建設ディレクターの約7割を女性が占めています。彼女たちが建設ディレクターを志望したのは次のような理由からです。

  • 地元で働きたい
  • 技術的な仕事をしたい
  • 人の役に立つ仕事がしたい

建設ディレクターはこれらが叶い、柔軟な働き方も可能になります。例えば前述の「遠隔臨場」なら、リモートで現場の検査・確認ができるため、一度スキルを身につければ自宅でも業務が可能です。

実際にパートナーの転勤で、従来なら退職していたような女性社員が、転居後もテレワークで仕事を継続しているケースがあります。

このことは建設ディレクターが、主婦や子育て世代でも働きやすい、汎用性の高い職業になることを示唆しています。建設ディレクターならポータブルスキルを武器に、出産や育児のようなライフイベントを超えてキャリアを形成できるでしょう。

建設ディレクターは年齢を問わず、高校の新卒から中堅・ベテラン世代まで、幅広く活躍でき、身体に障害や病気がある方でも就業できると期待されています。

建設ディレクターになるには

建設ディレクターは国家資格ではなく民間資格で、年齢・経歴を問わず取得できます。資格取得には一般社団法人建設ディレクター協会による、以下の「建設ディレクター育成講座」の受講が必要です。

  1. 建設業マネジメントⅠ
  2. 建設概論
  3. 施工管理
  4. 工事書類
  5. 積算
  6. 電子納品
  7. 建設IT活用
  8. 建設業マネジメントⅡ

全8回(48時間)の講座を受講し、終了テストに合格すれば、「建設ディレクター認定証」の資格の認定を受けられます。ただし現在のところ、受講資格があるのは建設会社の従業員に限られます。建設会社に入社すれば、業界未経験でも資格取得が可能です。

「建設ディレクター」というネーミングには、「新しい職種として憧れる職業になってほしい」という願いが込められています。次回後半の部では、建設ディレクターの導入効果と可能性についてお伝えします。

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