建築業界で活用が拡がっているBIMソフトウェア。中でもメジャーな2大ソフトが「Archicad(アーキキャド)」と「Revit(レビット)」です。これからBIMソフトについて学ぼうと考えている方向けに、双方の特徴や使用シーンの傾向について解説します。
CADユーザーは馴染みやすいArchicad
ArchicadはハンガリーのGRAPHISOFT(グラフィソフト)社製のBIMソフトで、30年以上の開発・運用実績があります。3Dオブジェクトが豊富なこと、レイヤー機能がある点などがデザイン分野で評価され、デザイン事務所や2次元CADから移行・併用するユーザーに広く利用されています。
教育版ライセンスが無料なので学生による導入事例が多く、通常ライセンスが買い切りである点も特徴です。また、製造元が同じBIMモデル共有アプリBIMx(ビムエックス)を含め、各種専門ソフトのアドオンとの連携が可能になっています。
動作環境はWindowsOS・MacOS共にサポートされているので、どちらの環境でも使用可能です。
国内外でシェアを伸ばしているRevit
RevitはアメリカのAutodesk(オートデスク)社製のBIMソフトで、後発ながら徐々にシェアを伸ばし日本国内でもArchicadと肩を並べています。
Revitの特徴は、BIMソフトの目玉とも言える「パーツに付与した情報の管理・活用機能」が優れている点です。設計だけでなく、施設運用やファシリティマネジメントまで幅広く活用する際により高度な利便性を発揮します。
また、ひとつのデータを同時編集する機能があるためチーム作業に適していて、大手設計事務所やゼネコンでの導入が進んでいます。ただし、推奨動作環境はWindowsOSのみなので、Mac環境では仮想Windowsを導入して使用することになります。
ライセンスは最短1か月から、1年または3年の期間を選択しサブスクリプション契約を結ぶ形式です。
日本でのシェアは半々、建設業界では今後Revit優勢?
現状日本でのシェアはほぼ半々程度とみられますが、建設会社ではRevitの導入が増加傾向にあり、Googleトレンドでの検索数の傾向で見た世界トレンドもRevit優勢です。
とくに2016年に発売されたRevit2017から意匠・構造・設備がひとつのバージョンに統合された影響が大きく、総合建設会社を中心にArchicadからの移行が進んでいます。
Archicadにも独自の強みはありますが、まだどちらも触ったことがなく、BIMを勉強したいけれどどちらにすべきか迷っている…という方はRevitがいいかもしれません。無料で使える体験版もあるので、実際に触ってみて双方の使用感を確かめる手もあります。
目指すキャリアによってもどのソフトについて学ぶべきかが変わってきます。デザイン・意匠方面がやりたいのか、構造・設備・運用方面がやりたいのか、キャリアの方向性を考慮してBIMソフトを選択しましょう。