建設業界の仕事は3K(きつい・汚い・給料安い)のイメージが残っていて、あまり人気がないといわれます。
しかし、実際には新卒や転職で自ら建設業を選ぶ人が少なくありません。
今回から前後編にて、現在建設業に携わる7人の「今の仕事を選んだ理由」を紹介していきます。
前編では、土木一式工事、土木施工管理職、都市土木工事技術者、建設業界向けアプリ開発者の4人の経緯を紹介します。
(個人が特定されないよう一部変更しています)
もともとモノづくりが好きだった
建設業に就いた人の理由の多くは「モノづくりが好き」ではないでしょうか。
モノづくり志向の中でも「地図や歴史に残る大きなものをつくりたい」という人が建設業を選んでいます。
土木一式工事従事者
「道路や橋が完成したときの達成感が忘れられないですね。通るたびに『これは俺が造った橋なんだ』『この道は俺が造った道なんだ』と誇らしく感じるので、また頑張ろうと思えるんです。
自分の手がけた道路工事が、発注元にとても評価されたことがあります。嬉しかったと同時に、どんなときも手抜きはできない、ごまかしや妥協が許されない世界だとも感じました。
だからこそ、この仕事が気に入っています。」
インフラを支え人々の生活に貢献したかった
人々の生活に貢献する仕事に携わりたいと考え、建設業を目指す人もいます。
土木施工管理職
「モノづくりへの憧れと、常に整備の行き届いている道路網や鉄道網へのリスペクトから、建設業の道を選びました。
大学では都市開発を専攻したので、インフラを支える仕事がしたかったんです。
現在は施工管理で長期の鉄道プロジェクトに携わっています。さまざまな会社の人と連携を取り合い、作業の進捗を管理する仕事です。
プロジェクトにより規模や工程が違いますが、仕事のスケールの大きさとやりがいを感じられるところが、建設業の醍醐味ですね。」
建設業に従事する家族がいた
家族や身近な人が建設業にいたことがきっかけで、建設業を選ぶ人もいます。
子どもの頃に父親が建てた建造物を見て「あんなに大きなものを作る仕事をしてみたい」と、感じたのをきっかけに建設業の世界に入るケースです。
大手ゼネコン 都市土木工事に携わる女性技術者
「大学の土木工学専攻から、さまざまな職種を経験できる大手ゼネコンへ就職し、工事の技術的サポートを担当しています。
子どもの頃に父に見せてもらったビルを、自分も造りたいと思ったんです。
現在仕事と2人の子育てを両立できているのは会社や同僚のサポートを受けられたおかげです。マルチタスクができるようになり、人間として成長できたと感じています。
父が見せてくれたように、子どもたちにも自分の仕事を見せたいですね。」
ITの力で建設業を変えたかった
建設業のIoT化が進む中「ITの力で建設業を変えたい」と考え、この業界に入る人もいます。
建設業界向けアプリ開発者
「機械化やITで解決するのは無理、と長年考えられてきた問題でも、ITの力で解決できると信じています。
所属していた会社がもともと人材派遣会社だったので、人材不足を解決したいという視点から、重機の操作訓練アプリを開発しました。
完成したアプリは、JISパターンなど、実際の重機の操作と工事のシチュエーションを忠実に再現しています。
そのため導入した現場では、少ない指導者の人数でも、重機オペレーターを育成できるようになりました。」
建設業を選んだ理由シリーズ、次回は都市計画の管理業務、鉄道施設維持管理、施工管理に携わる3人の経緯を紹介します。