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建設業界の女性活躍をリード!「けんせつ小町」がめざす建設業界の職場環境

作業着の3名の女性

人手不足が大きな課題で、これまで女性の就業者が少なかった建設業界では、多くの女性が入職し働き続けられるよう「けんせつ小町」による変革が進められています。

今回は、日本建設業連合会(日建連)の「けんせつ小町」プロジェクトを紹介。業界をあげて取り組む、女性の就労環境の整備、建設業で女性が活躍する可能性について解説します。

「けんせつ小町」とは?

「けんせつ小町」とは、日本建設業連合会(日建連)が制定した、建設業で働くすべての女性の愛称です。建設現場で働く技術者・技能者のみならず、設計者、研究者、営業、事務職など、すべての職種に携わる人たちを指します。

かつての建設業は「男社会」「重労働」など、女性が働きやすいイメージとはいえませんでした。そこで日建連は、建設業で働くすべての女性に、親しみやすい呼び名を与え、建設業で女性が力を発揮できることをアピールすべく「けんせつ小町委員会」を始動。官民を挙げ、建設業で女性が活躍できるための取り組みが開始されました。

けんせつ小町発足当時の女性を取り巻く環境

けんせつ小町委員会の最初のミッションは、建設現場に女性用トイレと更衣室を設置することでした。というのも、建設現場には女性用のトイレや更衣室・休憩室がなく、女性の就業を妨げる大きな要因となっていたからです。

けんせつ小町は変革を進めるうえで、働く女性自身の戸惑いという課題にもぶつかりました。当時の活動のスローガンは「女性の活用」「女性の活躍」であり、もともと建設業で働いていた女性の中からは、女性が特別視されているようで、腑に落ちないとの声があったのです。

また当時の建設現場では、女性はいるだけで目立つ存在で、けんせつ小町活動が広まったことで「アイドル」扱いされたため、戸惑う人もいたようです。

さまざまな声を受け、けんせつ小町委員会では活動の方向性に迷いが生じた時期もありました。それでも建設業で女性が働ける環境、女性が主体的に行動・発言できる環境づくりを、着々と進めてきた結果、業界内の意識に変化が現れ始めました。

けんせつ小町活動の遷り変わり

当初は女性だけで始めた活動でしたが、徐々に男性の参画者も現れ、活動の輪が大きく広がりました。

こうした中、2015年に始まったけんせつ小町活動の焦点は「女性がどう活躍していくか」から「働き続けられるか」へと変わり、最近ではさらに「多様性を認めさまざまな人材が働くために」という方向性へと変化しています。

2019年11月に策定された「けんせつ小町活躍推進計画 (2020~2024年)」では「女性のみならず建設業で働くすべての人が働きやすく、働き続けられる環境」を実現すべく、「定着」「活躍」「入職」という3つのテーマを掲げました。ここでは性別や国籍などにかかわらず、誰もがプライベートを大切にしながら働ける環境づくりを、推進していく方針を打ち出しています。

建設業で女性が働き続けるための環境整備

けんせつ小町委員会の発足から8年が過ぎ、建設現場での女子トイレや更衣室の整備がかなり進みました。2021年度の女子トイレ設置率は70%にまで上昇しています。最近では、サニタリーボックスや洗面台つきで清潔感のある仮設トイレも登場。オフィスでは当たり前の設備が、建設現場にもようやく浸透してきました。

育児休業制度や時短勤務などの整備も進んでおり、中には男性の育児休業取得や「イクボス」の登場といった事例も聞かれるようになっています。

けんせつ小町の活動の広がりにより、現場の意識にも以下のような変化が現れています。

  • 子育てメンバーが働きやすいよう、現場を挙げてペーパーレス化などの業務削減と時短に取り組む
  • コミュニケーションツールなどで情報共有を密に行い、お互いの急な休みをカバーし合える体制を整える
  • 女性が「何となく」任されやすい雑用をなくすため、掃除ロボットなどの機材を導入する

各現場のこうした取り組みは、2019年以降の「働き方改革」とも重なり、建設業界に広く浸透してきました。

建設業で女性が活躍する可能性

建設業には、一般に知られていない職種が数多くあります。デスクワークや、現場業務ではあっても力仕事がない職種、センスや感性を活かせる職種も多く、これらの存在が広く知られれば、女性の就業はさらに増えるでしょう。

建設業には多くの資格や検定もあるため、キャリアアップを目指し、実務経験の不要な資格から、着実に取得していくけんせつ小町も増えています。

さらに近年は、業界横断のキャリア登録システム「建設キャリアアップシステム」が登場し、業界内で共通のキャリア履歴を残せるようになっています。そのため建設業では一度離職しても、元のキャリアをそのまま次の職場に活かすことができ、キャリアパスを描きやすくなりました。

そして建設業にもダイバーシティ・インクルージョンが浸透しつつある現代。けんせつ小町活動が始まって以来、建設業界での働き方は着々と変化し、性別・年齢・国籍に関わらず、すべての人に働きやすい環境が整い始めています。

けんせつ小町の活動は、これからも「誰も見たことのない理想的な未来の実現を目指して」「ちゃく、ちゃく」と進みます。現在転職を検討されている方は、ぜひ働きやすくなった建設業の求人をチェックしてみてください。


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