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建設業界での働き方が変わる!?CCUS(建設キャリアップシステム)で実現することとは

国土交通省と建設業界が一体となり推進している、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及により、建設業界での働き方が大きく変わろうとしていることをご存じでしょうか。

今回は、建設業界で働く人にとってのCCUSのメリットとは何か、最近の国の施策をもとに解説します。

国が進めるCCUS施策のメリット

建設業キャリアアップシステム(CCUS)とは、技能者が働いた履歴や資格・講習受講などのキャリア情報と社会保険情報を連携させ、業界横断的に蓄積する仕組みです。

国と建設業界がCCUSを推進する目的は、技能者の能力可視化や処遇改善、キャリアパスの明示により、業界の働きやすさ向上とイメージアップを図ることです。

CCUSの普及によって、建設業で働く人たちが実際に得られる3つのメリットについて解説します。

メリット① 建設技能者スキル証明

CCUSの1つ目のメリットは、本来の目的である建設技能者の明確なスキル証明です。

個人カードに技能者の保有資格、就業日数、経歴、マネジメント力などのデータが記録されているため、どこの職場でも能力に見合う評価を受けることができます。

CCUSでは、蓄積された経験(就業日数)・資格などで技能者の技能を以下の4ランクにレベル分けしています。

白:見習い(初級技能者)
青:一人前(中堅技能者)
銀:班長レベル
金:高度なマネジメント力を持つ者(登録基幹技能者など)

これまで建設業では、技能者の能力評価の明確な基準がありませんでしたが、今後は現場を移ってもキャリアの積み重ねが可能です。

またCCUSの履歴を見れば、自分に足りないスキルも分かるため、今後の目標に向けスキルアップに励むことも可能です。

CCUSの導入と普及により、今後は建設業でのキャリアパスが明確化されていくことが明らかです。

メリット② ランクに応じた賃金アップ

CCUSの2つ目のメリットは、技能者の賃金体系が構築され、CCUSのレベル(カードの色)に応じた賃金アップを受けられる可能性が高いことです。

2023年6月に、国土交通省はCCUSレベル別年収試算表を公開しています。

公表の狙いは、技能者の経験や技能に応じた処遇と、賃金支払いに見合う工事受発注価格の2つを実現することにあります。

試算表によれば、レベルが1つ上がるごとに約100万円ずつ年収がアップする計算です。

ランクごとの昇給イメージが分かればキャリアパスを描きやすくなり、特に若い世代の人たちにとって大きなメリットです。

建設業に就業する人たちが今後目指す職種やランクの年収を知ることで、プライベートの将来設計も行いやすくなります。

メリット③ 社会保険の管理体制整備

CCUSの3つ目のメリットは、社会保険の加入確認とCCUSの連携により、社会保険の管理が確実になることです。

建設業界では、これまで社会保険未加入の事業者も多く、さらに建設業独特の多重下請け構造もあり、社会保険の一元管理が困難でした。

2020年10月、国は上記の課題を解決するため、建設業者の社会保険加入を建設業許可と更新の要件として規定しました。

さらにCCUSと連携させたことで、加入確認をより厳正に実施するようになりました。

社会保険加入確認のCCUS連携により、これから技能者が勤務する職場は社会保険加入事業者だけに絞られます。

就業中にもし怪我や病気になってもしっかりと療養ができるなど、安心して働ける環境が整いつつあるのです。

また、CCUSは建退共とも連携されているため、業界横断の年金積立も確実に行われます。

2023年のCCUS施策

国はCCUSカードリーダーを導入していない小規模工事現場向けに、技能者の電話1本で入退場管理が可能なシステム を開発し、2023年10月に運用を開始する予定です。

これにより、技能者はカードリーダーのない現場でもキャリアの蓄積が可能です。

さらに、CCUSの画面上で資格や研修修了などの証書を閲覧できるようになるほか、さまざまな割引などの登録者特典は1ヵ月ごとにアップデートされています。

CCUSの使い勝手は日々進化しており、国や建設業界のCCUSに対する本気度が伺えます。

国を挙げたCCUSの推進により、建設業は「きつい・汚い・給料安い」の3Kイメージから、新3K「給料・休日・希望」への変貌を遂げつつあります。

長期的なキャリア形成と賃金アップ、社会保険加入を後押しするCCUSが、今後も注目されます。

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